「すみません」
 声をかけると、彼らはぴたりと会話を止めてこちらを見た。って、みんなで見なくてもいいから! 怖いし!
 しかし、ここで怯えては舐められるかもしれない。できるだけ平静を装ってにこやかに口を開く。まずは建物のことを……って、なんでこんなにボロボロなんだ、この校舎。
「すごい壊れっぷりですね!」
「?」
「あ、校舎」
 フレンドリーを心がけつつ話しかけると、彼らは顔を見合わせて苦笑した。話せばわかりそうなその雰囲気に安堵すると、
「台風が暴れたからな」
「そうそう、局地的に」
 と、意味深な言葉を口にして肩をすくめた。どんな局地的な台風でこんなことになるんだ……ちょっと興味を惹かれたが、慌てて思い直す。今はお姫様を助け出すのが一番の任務だ。まずは だいおうさま がいそうな場所を聞き出さねばならない。
「一番危険な場所ってどこですか?」
 だいおうさま なら、きっとそういう場所にいるに違いないと思って質問すると、すぐに「特別棟」と返ってきた。
「あそこは全壊。完全に閉鎖される」
 続けて伝えられた内容に思わず身を乗り出す。
 完全閉鎖!! 怪しい! それは怪しすぎる!!

安全なところへ
特別棟へ