鬼に喧嘩は売るもんじゃないな。勝てる見込みもないため上手く隙を見て逃げ出したはいいものの、廊下という廊下をかけずり回り、男たちを巻いたときには息も絶え絶えだった。
 喉の奥から変な音がする。どこに逃げてもしつこく追いかけられたせいで、立っているのも辛いほど困憊こんぱいしていた。しかし、まだ敵が廊下を走り回る音が聞こえている。教室にある掃除道具入れに隠れていても、この調子ではいずれ見つかってしまうだろう。
 い、移動しよう。

とにかく人のいない場所へ
別の教室へ