あそこにいるのは王子の影、シャドー!! だいおうさま って言えば、一番強い男を部下につけるもんだよね! ってことはあれが最後の障害か!!
「喰らえ!!」
 力いっぱい手にしたものを投げつける。
 ……ああ、しまった。
 武器、持ってなかった。
 投げたティーセットは緩やかな弧を描きながら飛び、シャドーは難なくそれをよけてじっとこちらを見た。あれはきっと、普通にただこちらを見ているだけなんだろう。でも、色素の薄い目というのはなんだか怖い。しかも全身真っ黒でなお怖い。
「失礼しましたー!!」
 ここはいったん退散だ! 機を見てまたあいまみえよう、わが宿敵よ! 姫はそれまで預けておこう、丁寧にもてなすがよい!!
 うはははははは。
 と、胸中で叫びながらその場を後にした。
 断じて逃げたのではない。そこのところを間違えてはいけない。

=『敗北エンド』了=

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