お姫様はいないけど、インキュバスならいる! イナキの友人である海斗だ。 だいおうさま もいないなら戦いようがないし、どうせ暇だから海斗を捜そう。
「海斗ー!!」
「ほーい」
「早!!」
「え? 呼んだでしょ?」
「呼んだけど!」
しかし早すぎないか、あまりにも。そして派手すぎないかその格好。いや、別に派手ってわけじゃなく、いたってシンプルなカットソーにジーンズという出で立ちなんだけど、……刺繍がどうして昇り龍なんだろう。かぶってる帽子はなぜだかハンチング帽なんだ。しかも似合っている。はめてるのはダテ眼鏡かな。普通はちぐはぐになりそうな組み合わせなんだけど、不思議としっくりくる。ああこういうヤツが着こなし上手っていうのか。なんかムカつくなあ、美形って生き物は!
「殺気がしてるんだけど」
「まさか! 殺気だなんて!」
笑顔で言っても海斗は怯えている。さすがインキュバス、そういうところは敏感にできてるんだな。
「ところで、コーディネイトの基本について勉強したいんだけど」
こうなったらこっちもセンスを磨いてやるまでよ!
という経緯で、海斗の元に弟子入りした。これで だいおうさま がいつ来てもイチコロだ!!
=『魅惑的な彼エンド』了=